同志社大学政法会 updated 2018-04-03

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政法会会員各位

第67回全日本学生討論会が今出川キャンパスで開催されます。
一般席での見学が可能ですので、この機会に現在の学生討論会を是非ご覧ください。
・申込・入場料は不要です。当日、明徳館のピロティにて受付を設置しておりますので、受付までお越しください。
・大会の規定上、会場封鎖中は見学者も出入りができなくなります。タイムテーブルをご確認いただきまして、ご来場のお時間にはくれぐれもご注意ください。

全日本学生法学連盟代表平成29年度第67回全日本学生法律討論会開催総責任者
守家 加奈子

平成29年度第67回全日本学生法律討論会 開催要項

主催: 全日本学生法学連盟
開催: 同志社大学 法学研究会
日時: 平成29年12月2日(土)9時30分~19時頃(予定)
会場: 同志社大学今出川校地今出川キャンパス 明徳館21番教室
内容: 問題に対する立論及び質疑応答
論題分野: 刑法(別添問題文参照)
出題者: 同志社大学法科大学院 教授 十河 太朗
参加校: 関東学生法学連盟 慶應義塾大学 駒澤大学 専修大学 中央大学 日本大学 明治大学 立教大学 早稲田大学
関西学生法学連盟 関西大学 関西学院大学 神戸学院大学 同志社大学 立命館大学
九州・瀬戸内学生法学連盟 愛媛大学 香川大学 鹿児島大学 広島修道大学 九州大学 福岡大学 (順不同) 以上

平成29年度 第67回全日本学生法律討論会タイムテーブル
8:00~9:00 運営スタッフによる設営・審査員の先生方のご到着
8:20 受付開始
8:50 開場
9:00 論旨提出締め切り
9:10 論者説明
9:25 会場封鎖 来場者着席、審査員入場
9:30 開会式
10:00 討論開始
第一立論 (10:00~)
第二立論 (10:30~)
第三立論 (11:00~)
第四立論 (11:30~)
12:00 審査員退場、昼休み (50分)
12:50 会場封鎖、来場者着席、審査員入場
12:50 討論再開
第五立論 (12:50~)
第六立論 (13:20~)
第七立論 (13:50~)
14:20 審査員退場、小休憩 (20分)
14:40 会場封鎖、来場者着席、審査員入場
14:40 討論再開
第八立論 (14:40~)
第九立論 (15:10~)
第十立論 (15:40~)
16:10 討論終了、審査員退場、休憩・得点集計 (90分)
17:40 会場封鎖、来場者着席、審査員入場
17:40 閉会式
審査員講評
18:10 成績発表及び表彰
18:40 閉会の辞
18:45 記念撮影
19:00 レセプション会場へ移動
19:40 レセプション(~21:30頃まで)

第67回全日本学生法律討論会 論題
出題分野:刑法
1 X(男性、昭和55年生まれ)とY(女性、昭和58年生まれ)は、平成15年に婚姻し、平成16年には長男A、平成19年には長女Bをもうけた。平成19年以降、Xら4人は、自宅(以下、「X方」という)で生活していた。X方は、Xの所有する木造2階建ての一軒家で、周囲には広い庭があった。
XとYは、もともと仲の良い夫婦だったが、平成26年ころからXが遊興費に使うためにヤミ金等から借金を重ねて返済に窮するようになり、そのことが原因でXとYの間で口論となることもあった。借金の取立て人が度々X方を訪れる上に、AとBがXから離れたがっていたため、Yは、Xと離婚してAとBと共に3人で暮らした方が良いかもしれないと考えるようになったが、Xへの愛情も持ち続けていたため、離婚を決心できずにいた。
一方、金策に疲れたXは、X方に火災保険が掛けられていたことから、X方を燃やして火災保険金を得て借金を返済しようという気持ちが次第に大きくなっていった。
2 平成29年6月1日、Xは、Yら家族を前にして、「この家を燃やして火災保険金で借金を返すしかないかな」とつぶやいた。それを聞いたYは、本当にXがX方に火をつけることはないだろうと思いながらも、そのようなことまで口にするようになったXと一緒に暮らすことはできないと考え、Xと離婚する決意を固めた。Yは、Xと離婚しX方には二度と戻るつもりはないとの決意をAとBに伝え、AとBも、同じ気持ちであると答えた。そこで、Yは、一刻も早くX方を離れた方が良いと考え、Yら3人の意思をXに告げた上、衣類や調度品をX方に置いたまま、その日のうちにAとBを連れてYの実家へ戻った。
3 翌2日、Xは、自暴自棄になり、X方を全焼させようと思い、X方の2階に灯油を撒き、ライターで火をつけた。そのころ、Xの様子が気になってX方にやって来たYとAは、X方の2階の壁等から火が上がっているのを見て、XがX方に火をつけたことを察した。
Xは、庭でX方が燃えるのを見ていたが、X方の2階の大部分が燃えたところで、火の勢いが弱くなり、消えそうになったことから、X方の1階にも灯油を撒いてX方を全焼させようと思い、少し離れたところに置いてあった灯油を取りに行った。そのとき、近所に住むCが通りかかり、X方が燃えているのを発見するとともに、XがX方に灯油を撒く準備をしているのを見て、これを止めようとXの方に向かって行った。
Yは、こうなった以上Xに計画を最後までやり遂げさせてやりたいという気持ちになるとともに、Xの犯行を目撃したCの口封じをする必要があると思い、Cの殺害を決意した。Yは、体格の良いAにCを殴打させようと思い、近くにあった鉄パイプを拾ってAに渡し、「これでCをおとなしくさせなさい」と言った。Aは、Yの指示が単にCを気絶させてXに犯行を続けさせるという趣旨であると思い、Yの指示に従い、力任せに鉄パイプでCの頭部を1度殴打した。Cは、Aの殴打から生じた脳出血により死亡した。
その間に、Xは、X方の1階に灯油を撒いたため、火は勢いを取り戻し、X方は全焼した。ただし、X方以外の建造物等に延焼する危険性は全く生じなかった。また、Xは、CがXの灯油の撒布を止めようとしていたこと、それをYとAが阻止したことには気づいていなかった。
X及びYの罪責を論じなさい(ただし、特別法違反の点は除く)。


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この度、法学研究会が下記討論会に参加いたしましたので、ご報告させていただきます。 NEW!

10月に行われました 平成29年度末川杯争奪法律討論会のご報告を致します。
【名称】平成29年度末川杯争奪法律討論会
【日程】2017年10月21日
【会場】立命館大学 衣笠キャンパス
【出題分野】刑法
【当会の結果(立論者名/学年)】 立論の部6位(川崎貴裕 2年次生)

この度、法学研究会が下記討論会に参加いたしましたので、ご報告させていただきます。

【名称】第69回春季関西学生法律討論会
【日程】2016年6月10日
【会場】立命館大学 衣笠キャンパス
【出題分野】民法
【当会の結果(立論者名/学年)】 立論の部5位(中田拓也/3年次生)
【名称】平成29年度関西学院大学学内法律討論会
【日程】2016年6月24日
【会場】関西学院大学 上ヶ原キャンパス
【出題分野】憲法
【当会の結果(立論者名/学年)】 立論の部2位(森口達也/2年次生) 質問の部2位(森口達也/2年次生)
【名称】第69回秋季関西学生法律討論会
【日程】2016年10月7日
【会場】関西大学 千里山キャンパス
【出題分野】刑法
【当会の結果(立論者名/学年)】 立論の部1位(大村直仁/3年次生)
また、法学研究会は関西学生法学連盟に加盟していますが、その連盟に加盟している団体の中で、第69回春季関西学生法律討論会と第69回秋季関西学生法律討論会の結果を総合し、法学研究会が2位を獲得いたしました。このため、第67回全日本学生法律討論会での立論権を獲得いたしました。

第66回全日本学生法律討論会

この度、法学研究会が下記討論会に参加し入賞いたしましたので、ご報告させていただきます。
【名称】第66回全日本学生法律討論会
【日程】2016年12月3日
【会場】中央大学 多摩キャンパス
【出題分野】憲法
【当会の結果(入賞者名/学年)】 立論の部1位 (成岡 勇哉/3年次生) 質問の部1位 (植田 昴星/3年次生)


第68回秋季関西学生法律討論会

第68回秋季関西学生法律討論会の討論会に出場し入賞いたしました。
討論会の詳細及び結果については下記の通りです。
【名称】第68回秋季関西学生法律討論会
【日程】2016年10月1日
【会場】関西学院大学 上ヶ原キャンパス
【出題分野】憲法
【当会の結果(入賞者名/学年)】 立論の部3位 (成岡 勇哉/3年次生)
また、法学研究会は関西学生法学連盟に加盟していますが、その連盟に加盟している団体の中で、第68回春季関西学生法律討論会と第68回秋季関西学生法律討論会の結果を総合し、法学研究会が1位を獲得いたしました。このため、第66回全日本学生法律討論会での立論権を獲得いたしました。

関西学院大学学内法律討論会

立命館大学主催の討論会に出場し入賞いたしました。
討論会の詳細及び結果については下記の通りです。
【名称】関西学院大学学内法律討論会
【日程】2016年6月4日
【会場】関西学院大学上ヶ原キャンパス
【出題分野】民法
【当会の結果】 立論の部1位 大村 直仁(2年次生) 質問の部1位 中川 皓太郎(2年次生)

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立命館大学主催の討論会に出場し入賞いたしました。

討論会の詳細及び結果については下記の通りです。
【名称】第64回末川杯争奪法律討論会
【日時】2015年10月24日10時~ 【会場】立命館大学衣笠キャンパス
【出題分野】民法
【当会の結果(入賞者名)】 立論の部2位 鈴木 伸太郎(2年次生) 質問の部3位 成岡 勇哉 (2年次生)
【名称】全日本学生法律討論会
【日時】2015年12月5日9時30分~ 【会場】福岡大学七隈キャンパス
【出題分野】民法
【当会の結果(入賞者名)】 質問の部5位 横内 正太郎(3年次生)

第68回春季関西学生法律討論会

法学研究会が討論会に出場し入賞いたしました。
討論会の詳細及び結果については下記の通りです。
【名称】名称】第68回春季関西学生法律討論会
【日程】2016年6月18日
【会場】同志社大学今出川キャンパス
【出題分野】刑法
【当会の結果】 立論の部2位 植田 昴星(3年次生) 質問の部2位 植田 昴星(3年次生)


第62回全日本学生法律討論会「立論の部」2位入賞!!

朝日新聞デジタルより引用平成24年12月8日(土)に明治大学で開催された第62回全日本学生法律討論会 立論の部で安達貴大さんが2位に入賞しました。
朝日新聞デジタルへLinkIcon
明治大学 全日本学生法律討論会の案内へLinkIcon


第61回全日本学生法律討論会「質問の部」1位入賞!!

12月4日の朝日新聞にて、田辺佳代子さん(同志社大生)が全日本法律討論会 質問の部で1位となったことが掲載されました。
朝日新聞リンクLinkIcon


第60回全日本学生法律討論会 問題

分野【憲法】
問題
将来の電力不足に備えて新技術に基づく発電施設の設置と操業が進められたが、施設の規模が大規模であり、事故の危険性は大きくはなかったが一旦事故が起こったときの被害の甚大性のために、施設の設置を引き受ける市町村が見当たらなかった。有力な候補地となったA県B市内の山林について、B市市民の多数が反対しB市市長Cも受入れ拒否の声明を発していた。この発電施設の設置が国会でも問題となり、衆議院議員Dは、予算委員会での質問で、「B市の市民は、国民生活の安定のために不可欠な新発電施設の設置を拒否し、日本国民全体の利益を無視して自分たちのことしか考えておらず、自己中心のエゴイストたちである」と発言した。
(1) このDの発言に対して、B市市長Cは、この発言よってB市およびB市市民が名誉を毀損されたとして、B市を原告として、Dおよび国を被告として、損害賠償の請求をした。この請求は認められるか。
(2) また、衆議院は、Dの発言が懲罰に値すると判断し、Dに対して1週間の登院停止の懲罰を科した。これに対して、Dは、発言は自己の信念に基づいて行ったものであり、それを懲罰に付するのは、憲法51条の免責特権の保障に反するとともに、憲法19条の思想の自由、憲法21条の表現の自由を侵害するとして、懲罰処分の取消しと損害賠償を求めて出訴し、本件懲罰は人権侵害が争点となっている争訟であるから、憲法81条に基づいて最高裁判所の終局判断がなされなければならないと主張した。このDの主張は認められるか。
出題者 早稲田大学大学院法務研究科教授 戸波江二

論旨
中澤 崇晶

本問を考察するにあたり、まず結論を述べる。小問1においては、B市の請求はいずれも認められない。小問2においては、Dの主張は認められない。
以下、かかる結論に至った理由を述べる。
まず、小問1において、市長CはB市を原告として、B市およびB市市民の事柄に関して出訴している。しかし、市長Cは、B市とB市市民とは別個の法主体性を有する存在であるため、他人の事柄に関する出訴は認められないように思える。そこで、当該出訴が認められるか問題となる。
まず、地方自治法147条より、市長は代表権を有しているため、B市の事柄に関して出訴することは認められる。一方、市長は同法17条より、市民の政治的代表にすぎず、市長Cは市民の事柄に関しては出訴できないと解する。よって、市長CはB市の事柄に関してのみ、出訴が認められる。
次に、市長CはB市の名誉毀損を理由にDおよび国に対して民法709条・710条に基づく損害賠償請求を行っている。しかし、名誉毀損の目的は、本来私人の権利保護を図ることである。そこで、地方公共団体であるB市に、そもそも名誉毀損が観念できるか問題となる。この点、地方公共団体の活動は様々であり、それ自体一定の社会的評価を有している。そして、取引主体として社会的活動を行う際、その社会的評価が基礎になっている。よって、名誉の保護が図られるべきであり、地方公共団体に名誉毀損は観念できると解する。したがって、地方公共団体であるB市にも名誉毀損が観念できる。
では、B市のDに対する損害賠償請求は認められるか。
本問では、Dは国会議員であるから、当該発言に憲法51条の免責特権の保障が及ぶか問題となる。この点、最高裁平成9年9月9日判決では、憲法51条によって免責されるかどうかの判断をせずに、議員個人に対する損害賠償請求を棄却している。しかし、議員の院内での発言につき、同条が問題となることは明らかであるので、同条についての判断をすべきである。では、当該発言が同条の保障の範囲に含まれるか。
そもそも、同条は、議員に対する他の国家機関からの干渉を排除するという権力分立の原理から認められたものである。そして、その趣旨は、議会内における自由な言論を十全に保障することで、議員の自由な活動を保障する点にある。とすれば、議員の自由な活動を保障するためには、職務に関する行為について広く免責すべきである。よって、職務上の発言は同条の保障の範囲に含まれると解する。しかし、他人の権利を侵害するような内容の発言も保障の範囲に含まれるか。そこで、免責特権の保障の範囲に限界があるのか問題となる。そもそも、先に述べた免責特権の趣旨に鑑みると、たとえ発言内容が他人の権利を侵害するものであっても、院内で行った発言については、例外なく一切の法的責任を問うべきではない。よって、免責特権はいかなる内容の発言にも保障が及ぶため、保障の範囲に限界はないと解する。本問では、Dは衆議院予算委員会における質疑で当該発言を行っており、これは職務上の発言だといえる。したがって、当該発言は同条の保障の範囲に含まれる。ゆえに、Dの民事責任が免除される。以上より、Dに対する損害賠償請求は認められない。
なお、Dに対して民事責任は問えないが、憲法58条2項による懲罰によって院内で責任を問うことはできる。次に、B市の国に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は認められるか。免責特権の効果として、議員の発言の違法性がなくなり、同法に基づく請求自体ができなくなるとも思える。しかし、憲法及び国家賠償法には、免責特権により国会議員個人が免責される場合において、国家賠償請求を制限する趣旨の規定はない。また、議員個人が免責されるからといって、行為自体を適法とするものではないから、国家賠償法上の違法性が直ちに失われるわけではない。よって、同法に基づく請求自体はできると解する。
では、当該発言について国家賠償法上の違法性が認められるか。そもそも、同法1条1項は、国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えたときに、国又は公共団体がこれを賠償する責めに任ずることを規定していると解する。よって、同項の違法性は、国会議員の発言が個別の国民に対して負う、職務上の法的義務に違背してなされたかどうかによって、判断すべきである。では、本問で当該発言は法的義務に違背したといえるか。その判断基準が問題となる。この点、先に述べた通り国会議員の職務上の発言には免責特権の保障が及ぶ。この免責特権の趣旨に鑑みると、国会議員の院内における発言については、自己の信条に基づいて自由に発言できる広い裁量が認められていると解すべきである。もっとも、この広い裁量は、その職権の行使を十全に保障するという要請に基づくものであるから、職務とは無関係に個別の国民の権利を侵害することを目的とするような行為は当然許されない。また、あえて虚偽の事実を摘示して個別の国民の名誉を毀損する行為は、国会議員の裁量に属する正当な職務行為とはいえない。よって、国会議員の発言に国家賠償責任を認めるためには、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したと認めうるような特別の事情が必要だと解する。
そこで、具体的には、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示することなどが挙げられる。本問において、B市市民の多数が、新発電施設の設置を拒否していることは、虚偽ではなく、また、エゴイストたちであるとの発言は、単なる批判であるため、違法又は不当な目的をもって事実を摘示したともいえない。したがって、当該発言は職務とは関係があり正当な職務行為といえるので、その付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したと認めうるような特別の事情は一切見受けられない。
以上より、B市の国に対する損害賠償請求も認められない。
次に、小問2において、Dは、本件懲罰処分の取消しや損害賠償を請求し、憲法81条により最高裁判所の終局判断が必要だと主張している。この主張は認められるか。憲法は、付随的違憲審査制を採用しているため、同条の前提として憲法76条1項の司法権の意義が問題となる。この点、司法権とは具体的な争訟について、法を適用し、宣言することによって、これを裁定する国家の作用をいう。そして、具体的な争訟とは、当事者間の具体的な法律関係ないし権利義務の存否に関する争いであり、法令の適用により終局的に解決できるものをいう。
では、本件請求は具体的な争訟にあたるか。
これは、懲罰処分の取消権や損害賠償請求権という権利の存否に関する争いであり、懲罰の適法性について法令を適用することで、終局的な解決ができるといえる。よって、本件請求は具体的な争訟にあたる。では、当該懲罰処分の取消権の存否に関して裁判所は審査することができるか。この点、議院の懲罰に対する司法審査は、議院の自律権に反するとも思える。そこで、議院の懲罰に対する司法審査の可否が問題となる。そもそも、自律権とは、議院の組織・運営等の内部事項に関して、他の国家機関および他の議院による干渉を排除して自主的に決定する権能である。そして、この権能は権力分立の原理を由来とするため、尊重すべきである。また、懲罰権は議院が独自の権能に基づいて院内の秩序を維持し、議員の行動を規律することを認めたものであるから、自律権の一種として認められる。よって、裁判所はこの懲罰権の行使に対し、干渉を行うべきではなく、その判断を最大限に尊重すべきである。この点、人権侵害のような明白な憲法違反が認められる場合には、例外的に司法審査が及ぶとする見解がある。しかし、この見解に従えば、憲法判断をするためには、具体的な事実について審査が必要となり、議院の判断について審査することになる。よって、この見解は議院の自律性を害するため妥当ではない。したがって、議院の懲罰に対する司法審査は一切認められないと解する。ゆえに、当該懲罰処分の取消権の存否に関して裁判所は審査することはできない。また、損害賠償請求権の存否に関して、違法性が認められるか否かの判断において、懲罰の適法性の判断が必要であるため、同様に解する。
以上より、憲法81条による最高裁判所の終局判断が必要だというDの主張は認められない。以上